多摩川河口保全と羽田連絡道路 (旧神奈川口構想)のページ



2007年「多摩川河口の自然を考えるシンポジウム」の記録(PDFで約1MBあります)

●多摩川河口の自然
多摩川河口には、神奈川県に残された最後の大きな干潟があります。多くの渡り鳥や、カニやトビハゼ、アサクサノリなどがの生息が確認されています。

●神奈川口構想とは
その多摩川河口に、神奈川口構想という計画が神奈川県・川崎市が企画しています。神奈川口構想は、京浜臨海部の工場跡地の再利用の促進と、羽田空港拡張の一体化で臨空産業を誘致しようという構想です。その中で、羽田空港との連絡道路の建設構想があります。羽田空港と神奈川県の道路は、国道と首都高速横羽線・湾岸線の3本が5Kmの間にあり、それ以上の連絡道路の必要性はあるか疑問です。また湾岸線の側道である国道357は未開通ですが都市計画決定もされている道路です。
●河口域の自然
 全国的に干潟が開発された事は、諫早湾の堤防建設で大きな問題になりました。河川の河口域の開発は、全国で計画が進行中です。河口域は、淡水と海水が入り混じる汽水域の生態系です。プランクトン類から始まり、大型の鳥類まで多くの生物相を抱えている多様性豊富な生態系です。鳥類にとっては、国際間の渡り鳥の中継地として、過去から連綿と引き継がれてきた重要な場所です。
●連絡道路の計画決定
 羽田空港国際化が2009年に決定し、神奈川口連絡道路の計画も水面下で進行しています。大田区の土地利用計画が2007年度中に決まる予定です。その中で連絡道路の受け入れの可否が決まります。この秋から冬に掛けてが、連絡道路建設の山場の1つです。その重要な時期についての、行政側からの情報公開は十分ではありません。「土地利用」「事業性」「環境」「交通」の4つの観点の検討項目があります。しかし抽象性的な文言で、具体的なデータなども示さない内に結論が出る可能性があります。
●計画的アセスメントの提案
神奈川支部では、20071月に神奈川口連絡道路に関する計画アセス協議会設置を行政側に提案しました。計画アセスは、計画策定前に環境面を含めた検討を行い、事業の代替案を含め検討するシステムです。現在行政内部で行われている、検討がこの計画アセスの一部と考えて良いと思います。しかしその検討過程は公開されていません。

■神奈川口構想に関係するリンク
1.京浜臨海部基盤施設検討会(京浜臨海部の幹線道路網に関する検討)国土交通省
2.臨海部国際戦略室
3.2008年2月14日京浜臨海部基盤施設検討会が開催

■多摩川河口保全に関係するリンク
1.「神奈川口構想」に際し多摩川河口干潟の環境保全を求める要望書2006年8月21日(日本野鳥の会神奈川支部)
  ★横浜市からの回答
  ★神奈川県・川崎市からの回答
2.多摩川河口干潟の保全に関する要望書2006年10月24日 (財)日本野鳥の会・(財)世界自然保護基金ジャパン
3.神奈川口構想の連絡道路に関して計画的アセスメント協議会設置について07年1月17日(日本野鳥の会神奈川支部)
  ★川崎市からの回答
4.京浜臨海部の自然再生計画について2007年9月10(日本野鳥の会神奈川支部)
5.多摩川河口の自然を考えるシンポジウム開催2007年10月27日
6.多摩川河川環境管理計画(国土交通省京浜河川事務所)
7.川崎市殿町3丁目地区へのパブリックコメント提出(NEW)
8.多摩川河口ウエットランド構想の要望(NEW)
9.多摩川河口ウエットランド構想のイメージ図(NEW)
10..「羽田連絡道路」橋梁案に反対します(要望書)(NEW)