1998年の保護研究部の活動



1.コアジサシの保護活動について

2.油汚染対策ボランティアの活動

3.鳥獣保護区の存続期間更新への意見書

4.野鳥観察田の件

5.ブッポウソウの巣箱作成の補助

1998年に、神奈川支部が関わった保護研究活動について、おもに行政担当部局に提出した書類を資料として示しながら、その経緯を紹介する。
なお、1999年にまたがった活動については、1999年の活動についても取り上げた場合がある。

●コアジサシの保護活動について

神奈川支部では、県内のコアジサシの営巣地について情報収集と保護活動を地元会員を中心に継続的に取り組んできた。
1998年の状況は下記の通りである。

・酒匂川
 1996年、1997年に続いて、富士道橋下の中州に人工台地を造成する試みを行った。
 この試みは、頼ウメ子会員を中心とする本支部西湘地区のコアジサシプロジェクトチームが進めているが、今年度から小田原市が事業として取り組むことになり、重機を使用して作業を行った。
 作業やその結果についての詳細は、本誌別項(p. ~  )に述べた。

・相模川
 北條文彦会員が継続的に調査を行い、海老名市社家の相模大堰下の中州と海老名市中野の中州の2ヶ所で繁殖が確認された。
 これらの繁殖地は、水道企業団、相模川総合整備事務所の理解と協力によって確保されたものである。
 繁殖の成績としては、相模大堰下中州では最大130羽の成鳥が観察され、約150卵が産卵され、約60羽が若鳥となった。
 中野中州では、最大20羽の成鳥が観察され、約12卵が産卵され、約5羽が若鳥となった。
 なお、相模川での繁殖状況については、後日まとまった報告がされる予定である。

・東京湾
 1997年に確認された南本牧埠頭(横浜市中区豊浦町)のコロニーでは、横浜市港湾局の協力を得て、工事に支障のない場所に営巣地を確保することができた。確認できた巣の数は、繁殖地の約半分の面積の調査で、173であり、卵とヒナを合わせ586が確認された。詳細は、本誌p.77-78に報告した。
 また、当地に隣接して横浜市のゴミ最終処分場があり、ダイオキシンなどによる汚染の影響が懸念されたので、横浜市に対して、資料1のような文書で照会を行った。それに対して、横浜市からは資料2のような回答があった。

資料1.横浜市に対しての要望書

 1998年9月30日

 横浜市長様                   
       日本野鳥の会神奈川支部 支部長 浜口哲一

野鳥集団繁殖地におけるダイオキシン被害の調査と予防について(要望)

時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げるとともに、平素より環境保全行政にご尽力
いただき感謝いたします。
さて、中区南本牧埠頭予定地にありますところのゴミ最終処分場に隣接する地域に、コアジサシの集団繁殖地が確認されています。
 コアジサシは、繁殖環境の悪化等の要因から数を減じ、環境庁の「日本の絶滅のおそれのある野生動物」(レッドデータ・ブック)において希少種、さらに本県県立博物館発行の「神奈川県レッドデータ生物調査報告書」においては絶滅危惧種に指定され、本県および首都圏における生息が危ぶまれております。
 現在、南本牧の集団繁殖地において繁殖するコアジサシは約1000羽と推定され、本県最大かつ東京湾沿岸屈指の繁殖地です。
 しかしながら、南本牧最終処分場においては、大量の清掃工場から排出された焼却灰が埋め立てられています。
 これら焼却灰には、ダイオキシン類が含まれていることは周知のことであります。
 焼却灰中のダイオキシン類については、法的基準値は設定されておりませんが、環境庁の示した「ダイオキシン類に係わる健康リスク評価指針」(平成8年12月)によりますと、人の一日の摂取量は、体重1kgあたり5pg-TEQ が望ましいとしつつも、例えば東京都清掃局における焼却灰の測定結果では、最高2,700pg-TEQ/g と報告されています。
 したがいまして、当会としましては、これら焼却灰中に含まれるダイオキシン類がコアジサシに与える影響を懸念するものであります。
 特に人間を含めて生物は、卵や幼体時に汚染物質に曝露された場合に、深刻な影響を受けることが知られています。
 つきましては、市としては清掃工場等のダイオキシン対策に取り組んでいる所とは存じますが、下記の事項を要望します。



1.南本牧最終処分場付近の土壌、空気中、近海の魚(コアジサシの餌となる)のダイオキシン類濃度の検査等の環境影響調査の実施。 
2.清掃工場から発生するダイオキシン類のより一層の削減について具体的な方針の提示。
3.南本牧最終処分場への、高濃度のダイオキシン類を含んだ廃棄物の搬入中止。
                                      以上
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資料2.資料1に対する横浜市担当課からの回答

「野鳥集団繁殖地におけるダイオキシン被害の調査と予防について」の要望への回答

要望1 南本牧最終処分場付近の土壌,空気中,近海の魚(コアジサシ餌となる)のダイオキシン類濃度の検査等の環境影響の実施

回答1 南本牧最終処分場付近ではありませんが,東京湾内の測定点で継続的な調査を神奈川県が実施しております。神奈川県の調査では,東京湾の水質,海底の土(底質),及び魚に ついて測定を実施しました。南本牧最終処分場に近い測定地点としては鶴見川(河口部), 東京湾(中の瀬)となっております。

  ◎鶴見川(河口部:H2,H4,H8年度に実施)では 底質 0.0162~0.0225ng/g-dry   水質 検出限界以下
  ◎東京湾(中の瀬:H1,H3,H5,H7年度に実施)では 底質 0.0008~0.0163ng/g-dry   魚 0.0003~0.003ng/g-wet 水質 検出限界以下  となっております。

要望2 清掃工場から発生するダイオキシン類の一層の削減について具体的な方針の提示

回答2 横浜市では市内のごみ焼却工場から排出されるダイオキシン類について,平成4年度から排出実態調査を行い,国のガイドラインに基づいた燃焼管理,施設改修を実施してきました。
今後は平成9年8月の廃棄物処理法施行令及び施行規則の改正内容に基づいて,さらに対策を進めてまいります。
また,焼却工場の新設やプラント更新,排ガス処理設備の改善を行い,ガス中のダイオキシン類の計画的な削減に取り組みます。
 そして,平成14年末までに排ガス中のダイオキシン類の総量を,平成9年度の量から70%削減します。

要望3 南本牧最終処分場への,高濃度のダイオキシン類を含んだ廃棄物の搬入中止

回答3 南本牧最終処分場に搬入している焼却灰やばいじんに含まれるダイオキシン量については,環境事業局で定期的な分析を実施しております。
平成9年度の分析結果は,焼却灰が0.0011~0.041ng/g ばいじんは0.24~3.5ng/g-dryとなっており,埋立比率(焼却灰:ばいじん 20:3)を考慮すると埋立廃棄物としての濃度は平均で約0.03~0.5ng/g程度となります。
また,南本牧最終処分場の排水分析も実施しており,平成9年度における放流水濃度は0.00066pg/gとなっております。
今後も 定期的に調査を実施することとしております。
廃棄物の埋立に当たっては処分場内の海水中に投入し,処分地内の汚水については処理施設で処理した後,海への放流を行っています。
 このようなことから場外への拡散は非常に少なく,周辺環境への影響は極めて少ないものと考えております。 
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●油汚染対策ボランティアの活動

1.油汚染対策ボランティアの発足
1997年に日本海で起きた「ナホトカ」号の油汚染事故と事故後の経過は、日本の環境問題やボランテイア活動を考える上で忘れてはいけない事件となった。
そんな中、1997年7月2日に東京湾本牧沖で「ダイアモンドグレース号」の座礁と原油流出事故が起こった。
神奈川支部では、7月3日から現地の鳥類調査に入った。
現地調査は3回行われたが、幸い流出原油が揮発性が強い油であったことや、夏期で鳥類の数が少ないことから特に大きな被害状況は観察されなかった(BINOS,(5):107に既報)。
その事件の直後に、神奈川支部では、日本野鳥の会保護・調査センター(現、自然保護センター)の古南幸弘氏をお呼びし、「ナホトカ号重油流出事故から学んだこと」という講演をお願いした。
その中で、事故以前の対応がいかに整備されているかが重要という点が指摘された。
「ダイアモンドグレース号」の事故の経験で、東京湾や相模湾でも「ナホトカ号」事故と同様な海鳥救護体制が必要となる事態が現実のものとなっていたこともあって、神奈川支部では、赤十字のボランテイア登録の制度を見本とし支部会員に油汚染対策ボランテイア登録を呼びかけた。
 登録の内容は、
  ①「調査」海岸線の海鳥調査を行う。
  ②「搬送」事故が起こった際に海岸から、救護センターに汚染鳥類を搬送する、
  ③「コンピュータ」事故が起こった際の情報収集、情報発信を担当する、

  以上の3分野である。
  現在登録ボランティアとして、22名の方が登録されている。


1997年
7月 東京湾ダイアモンドグレース号油流出事故(3回の現地調査)。
8月 「自然百話」で古南幸弘氏の「ナホトカ号事故から学ぶ事」講演。
  *この講演会の反省会で、登録ボランテイアの話がでる。
8月 神奈川県自然保護課でNGOと獣医師会、動物園の出席で第1回油汚染対策協議会。
12月 支部報「はばたき」で油汚染対策ボランティアを募集。

1998年
3月 第2回油汚染対策協議会(県庁)。
3月 野生動物ボランテイアセンター(川崎市中原区/代表馬場国敏氏)訪問。
3月 第1回海岸海鳥調査(この結果については、本誌 p. に掲載)。
6月 神奈川県庁記者クラブで記者発表(油汚染の官民協力体制について)。
6月 第2回海岸海鳥調査。
7月 第1回油汚染救護研修会(野生動物ボランテイアセンターでドバトを使い研修)。
8月 環境災害情報センター設立準備会で「神奈川県の油汚染救護体制について」講演(石井隆)。
9月 第3回海岸海鳥調査。
11月 第2回油汚染救護研修会(野生動物ボランテイアセンターでカルガモを使い研修)。
11月 第3回油汚染対策協議会(野生動物ボランテイアセンター)。

1999年
1月 第4回海岸海鳥調査。
3月 支部報「はばたき」で油汚染救護研修会の報告と合わせて、ボランテイア募集。
3月 三浦市諸磯湾油流出事故 (4回の現地調査)。

3.神奈川県での油流出事故の事例
油汚染対策協議会では、事故が起こったさいFAXでの連絡体制を整備した。神奈川県自然保護課(現・緑政課)から以下の4回の流出事故の連絡があった。
その中で、実際に現地調査を行った三浦市諸磯湾油流出事故については、次項にその経過をまとめた。

①三浦市諸磯湾油流出事故
  発生日:1999年3月11日。
  発生場所:三浦市諸磯、社会福祉法人 「油壺エデンの園」。
  事故状況:ボイラーの貯蔵タンクからA重油約4000㍑が流出し、一部が諸磯湾に流れ込んだ。

②大黒大橋タンカー衝突油流出事故
  発生日:1999年3月26日。
  発生場所:横浜市鶴見区大黒町。
  事故状況:小型タンカーが、大黒橋の橋げたに衝突し船のタンクに亀裂が入り油流出。

③川崎市東扇島重油流出事故
  発生日:1999年4月28日。
  発生場所:川崎市川崎区東扇島。
  事故状況:タンカーに給油中に、給油ホースが破裂しC重油400㍑が海上に流出。

④横須賀港米軍基地内油流出事故
  発生日:1999年5月17日。
  発生場所:横須賀市米軍基地。
  事故状況:潤滑油189㍑が流出。

4.油流出事故への対応
 前項の①三浦市諸磯湾油流出事故については、神奈川支部では油汚染ボランティアを中心に、現地調査などの活動を行ったので、その状況を報告する。

①現地調査者(順不同) 高梨敏子・荒巻玲子・菅原富士夫・永嶋省吾・中島直・鵜野れいな・加瀬俊子・石井隆
②時間的経緯
3月11日(木)
9:40 三浦市消防から神奈川県防災消防課に第1報。
14:00頃 神奈川県自然保護課から油汚染情報のFAX石井自宅にて受理。諸磯湾でA重油流出の第1報あり。
14:15 県自然保護課及び馬場先生と電話連絡
14:30 oilメーリングリストと日本野鳥の会神奈川支部油汚染ボランティア、役員に電子メール送信
15:00 県自然保護課からFAX第2信。13:30までの油流出事故の状況報告(県防災消防課のまとめ)
    野鳥の会油汚染ボランテイアの方に現地調査を依頼。
    野鳥の会神奈川支部事務所の留守番電話に緊急体制の連絡を録音依頼。
15:30 かながわ野生動物サポートネットワークに油汚染情報を連絡。
15:43 日本財団高木氏から電子メールが入る
16:00 マスコミ宛に情報を流す。朝日新聞横浜支社のみ電話で連絡来る。
18:30 野鳥の会の現地調査結果が電話で入る。
18:43 電子メールで現地情報を発信
19:22 県自然保護課からFAX第3信入る。15:40までの油流出事故の状況報告。
23:00まで 随時電子メールでの情報交換
3月12日(金)
8:00 現地調査のため、京浜急行三崎口駅集合、日本野鳥の会神奈川支部4名。
 8:30 三浦市諸磯湾到着。11:00まで、諸磯湾・油壺湾の調査。
  今回の流出原因の責任者・県土木事務所の方に汚染鳥類の件でお話する。
 11:15  油壺マリンパークに行き、状況を聞く。
14:31 電子メールにて状況報告を発信。

3月13日(土)
10:45 日本野鳥の会神奈川支部3名が諸磯湾調査。12:00まで。
 23:48  電子メールにて状況報告を発信。

3月14日(日)
 14:00  日本野鳥の会神奈川支部1名が諸磯湾調査。

3月15日(月)
 21:56  電子メールにて状況報告を発信。

3月17日(水)
 13:00~16:00 日本野鳥の会神奈川支部1名が諸磯湾調査。

③3月12日の状況
・観察鳥類
 ウミネコ19羽・カモメ3羽・ユリカモメ90羽・セグロカモメ2羽・オオセグロカモメ3羽・ハクセキレイ3羽・イソヒヨドリ2羽・トビ6羽・カワセミ2羽・ヒヨドリ・ツグミ・キジバト・スズメ・アオジ・メジロ・ハシボソガラス・シジュウカラ
・油の流出状況
油は、油膜となり湾に漂っている状態で、薬剤を海上保安庁の方が海岸や岩場にまいていた。漁協や消防関係は吸着マットで油を吸い取っていた。海上では、三浦市の船と海上保安庁の船が水?を放水して拡散の作業をしていた。油の浮いている水面でユリカモメが2回程空中からダイビングして採食していた。またカワセミも採食する可能性がある。現在の所、汚染による影響は認められなかった。

●鳥獣保護区の存続期間更新への意見書

 平成10年7月31日付けで、県自然保護課から依頼を受け、緑が丘東高根、三島神社、了義寺、南足柄丸太の森、大磯城山、小松ヶ池、聖園愛護林、みのげの各鳥獣保護区について存続期間の更新についての意見を求められたので、賛成の意見書を提出した。文例として三島神社のものをあげておく。

資料3.鳥獣保護区の存続期間の更新への意見
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平成10年8月20日
神奈川県知事 岡崎 洋 殿
        日本野鳥の会神奈川支部  支部長 浜口哲一

三島神社鳥獣保護区の存続期間の更新についての意見

 平成10年7月31日付け自保第75-2号で依頼のあった標記のことについての賛否および意見は次の通りです。
1.賛否 賛成     
2.意見および理由の要旨
神奈川県内は近年急速に都市化が進み、鳥獣類の良好な生息地は加速度的に減少しています。
一方で都市環境に生活する住民からは、自然とのふれあいを望む声が高まっており、鳥獣類の多く生息する自然度の高い緑地を確保することは環境行政の重要な課題の一つです。
そうした施策の一環として鳥獣保護区の意義は今後ますます大きくなっていくと考えられます。
 さて、三島神社鳥獣保護区は、伝統のある神社を囲む良好な社寺林としてスダジイ・タブノキなどからなるうっそうとした森の景観をよく保っています。
当地は、ヤマガラなどの森林性鳥類が生息するとともに、特にムササビの生息地として注目されています。
ムササビは県下では丹沢山麓の社寺林を中心に分布していますが、当地は大磯丘陵の生息地として非常に貴重な存在になっています。
以上のような意味で、鳥獣保護区の存続期間更新に賛成します。                        以上
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●野鳥観察田の件
 神奈川支部では、JA中央会、JA経済連など農業団体と協力して、生産調整田(いわゆる休耕田)の渡り鳥のための活用を提案してきたが、その提案が1999年に農水省によって認められ、「野鳥観察田」という仕組みとして実施されることになった。ここでは、1998年、99年の2ヶ年にまたがった動きをまとめておく。
 この提案が実施にこぎ着けるには、JA中央会、JA経済連、海老名市での試験的な取り組みに協力頂いた勝瀬生産組合、中部営農組合、県農政部、農水省などの担当者のご理解と協力があった。
また、実際の運用にあたっては、海老名市、座間市の担当職員の方々のお力添えを頂いた。これらすべての方々に御礼申し上げる。
 なお、「野鳥観察田」は単年度に限って認められたもので、国の減反政策の変更が予想される平成12年度以降については、同じ形がとれるかは状況が流動的である。神奈川支部としては、この仕組みが定着し、他県にも波及していくように働きかけていきたい。

1.利用計画の提出
 県農政部からの指示によって、1998年7月に「多面的機能水田(特認型)に関する利用計画」を提出した。
 これは、調整田を渡り鳥のために利用する目的、整備の条件、制度として認められた場合に野鳥の会としての取り組みの内容などを示したものである。
 県では、この資料をもとにして県としての意見をまとめ、農水省との交渉にあたって頂いた。

資料4.多面的機能水田(特認型)に関する利用計画
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1998年7月24日
多面的機能水田(特認型)に関する利用計画
日本野鳥の会神奈川支部

1.多面的機能水田(特認型)に関する当会の基本的な考え方
 休耕田の条件を整備し、シギチドリ類などの渡り鳥の利用できる湿地として活用することは、内陸性の湿地が大幅に減少している現在、野生生物の保護にとって大きな意義があると考えられる。

2.休耕田を利用する鳥類
 休耕田はさまざまな種類の鳥類が利用するが、特徴的なのは8月から10月にかけて、多くのシギ類・チドリ類 などの水鳥が飛来することである。
 その主な種類としては、キアシシギ・アオアシシギ・エリマキシギ・トウネン・ヒバリシギ・ウズラシギなどのシギ類、コチドリ・ムナグロなどのチドリ類があげられる。

3.シギ類の保護の重要性
 休耕田を利用する鳥類の代表であるシギ類は、ほとんどが長い距離の季節的な移動をする渡り鳥で、多くの種は、シベリア・サハリンなどの北方で繁殖し、オーストラリアや東南アジアまで渡って越冬している。
 日本列島には、春と秋に渡りの移動の途中で姿を見せ、栄養を補給して渡りの旅を続けていく。従って、シギ類の保護は全地球的な野生生物保護の上で重要な意味を持っており、日豪、日ソなどの間で締結されている渡り鳥条約の対象となっている種も多く含まれている。
 日本でのシギ類の渡来環境としては、海辺の干潟と、内陸部の湿地が代表的なもので、神奈川県では、多摩川河口、相模川河口などにわずかに干潟が残されているが、内陸部の自然湿地はほとんどなく、 水田や休耕田がシギ類にとって、重要な渡来環境になっている。

4.シギ類が飛来するのに必要な条件
 当会会員の観察と、全国での状況から考えて、休耕田をシギ類が利用するには、下記のような条件が必要と考えられる。

・水田耕作期間を通じて水が張られており、特にシギ類の渡来時期である8月から10月までの間に開けた水面がある。
・水深は1~5cm前後の浅いことが望ましい。水深によって渡来するシギ類の種類が異なる。
・草はまったくないか、ごくまばらに生えている状態がよい。ただし、除草剤の使用は好ましくない。
・近年の施肥の多かった場所が条件がよく、おそらく発生する小動物の量に関係すると思われる。
・川に近く、長年湿地であった立地に開かれた水田がよい。
・農薬を使っていない、もしくは使用量の少ない場所がよい。農薬を多く使っている場所では、餌になる小動物の発生が少ない。ちなみに、農薬を使わないハス田には多くのシギ類が飛来する。
・人や車に驚いて飛び立った時に、順番に利用できるように、近くに数カ所の渡来適地があるのが望ましい。

5.当該水田についての当会の取り組みの内容
 イ.渡り鳥の渡来状況に関する調査
 ロ.観察者などに対するパトロールの実施
 ハ.自然観察会など普及的な行事の実施

6.渡来状況に関する調査
 8月上旬から9月下旬にいたる渡り鳥の渡来期に、原則として週に1回、現地を訪れ、休耕田に飛来している鳥類の種類と個体数を記録する。
 記録には双眼鏡、望遠鏡、カウンターなどを用い、当該地の地図の上に観察地点を記録するようにする。
 参考に、1997年に海老名市勝瀬で実施した調査の記録用紙を添付した。

7.パトロールの実施
 多種類の渡り鳥の飛来地には、多くの観察者や野鳥写真家が訪れることが予想され、農道への駐車、畦道への立ち入り、ゴミの投棄など、不心得な行動によって、農業者とのトラブルが発生する可能性がある。
 そうした事態に備え、パンフレットの作成や、立て看板の設置によって観察エリアの遵守やマナーの徹底を
 呼びかけるとともに、少なくとも土日と休日には交代でパトロールを行う。
 また、農地への影響を最小限とするために、観察エリアを定め、観察者を誘導する。

8.自然観察会などの実施
 渡来最盛期の9月上旬頃に、一般にも呼びかけた観察会を実施し、渡り鳥についての関心を深める機会を作るとともに、自然と農業の共生についての理解を求める。

添付資料1.1997年度の海老名市勝瀬における記録用紙
添付資料2.1997年度の海老名市勝瀬における活動実績報告
添付資料3.神奈川県内のシギチドリ類の内陸部の渡来地          以上  
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2.海老名市勝瀬での試験的な実施
 1997年に引き続いて、海老名市役所前の水田に中部営農組合の協力で8月から9月まで水を張って頂いた。
 シギチドリ類の渡来状況は、本誌p. ~  に報告した通りである。

3.打ち合わせ(1999年1月27日 於:JA経済連)
 経済連、農協中央会、県農政部、神奈川支部の4者で打ち合わせが行われ、この席で農水省から特認型の認可が得られる見通しが経ったとの経過報告があった。
 特認型の内容としては、本会が資料2で提示した条件がほぼ盛り込まれたが、一般の水張り調整田との差別化を明瞭にするために、市民の野鳥観察に利用される実績が求められ、名称も「野鳥観察田」とされることになった。
 このことによって、水張り調整田の場合に、1反あたり1万円の補助金が出るところ、野鳥観察田では2万5千円の補助金が出ることになった。

4.打ち合わせ(1999年2月9日 於:JA中央会)
 前項の打ち合わせに基づいて、調整田の活用によってシギチドリ類の誘致が可能と思われる地域の範囲を地図と地名のリストによって示す資料4を作成して、県に提出した。
 なお、この資料を作成するにあたっては、鳥類目録の観察記録カードによるデータベースを活用し、また細かい地点の情報については、片倉義人、平田寛重、朝日豊彦、船木曄子、竹内裕、高梨敏子、坂本堅五、新倉三佐雄、頼ウメ子、臼井勝之の各会員に資料5を送って協力を求めた。

資料5.休耕田へのシギチドリ類の渡来情報収集の依頼文
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渡り鳥のための休耕田の活用計画への協力のお願い

 冬鳥の便りも多く聞こえることになりましたが、お元気のことと思います。
 さて、ご存じの通り、野鳥の会神奈川支部では昨年から、海老名市勝瀬で休耕田をシギチドリ類の渡来地として活用するために、農業団体や地元の営農組合の協力を得て、試験的な試みを行ってきました。
 それと平行して、県農政部と農協(JA中央会)で、この試みを制度化する検討を続けて下さっていたのですが、それが予想外に早く現実化し、来年度から具体化しそうな見通しになってきました。
 具体的には、シギチドリ類のために渡来環境を整えた休耕田を、「多面的機能水田(特認型)」と位置づけ、一般の調整田に支払われる補助金1反あたり10,000円を、25,000円に増額して支給するというものです。
 つまり、鳥のための条件を作ることが、農家の収入増につながる仕組みを作り、そうした場所を積極的に増やそうというわけです。
 多面的機能水田(特認型)とは聞き慣れない言葉ですが、現在は春のレンゲとか、秋のコスモスのような花を植えた場合、「景観作物」としてこの枠組みにあてはまるものと認められているのだそうです。
 上記の補助金は農水省から出てくるものですが、関東農政局の判断で、来年度は神奈川県に限って認められることになるようです。
 JAの担当者も積極的に取り組みたいと考えているとのことでしたが、農業団体が鳥のために熱心に動いてくれることだけでも画期的なことなので、支部としてのできる限りの協力をしていきたいと考えています。
 なお、シギチドリ類のことばかり取り上げるのは片手落ちではないかという意見もありそうですが、カモやサギでは農業被害の実例もあって農家の心理的抵抗があること、水が張られさえすればトンボなども利用できること、シギチドリ類の場合、国際的な自然保護の意味合いが理解してもらいやすいことなどから、当面はこれを錦の御旗に立てていきたいと考えています。
 また、9月中旬以降の水張りについては、用水路が元から絶たれるという事情があって、この枠組みだけでは解決できませんので、それについては別の方から働きかけをしていく予定です。
 今後の実務としては、概ね下記のように進むようです。多面的機能水田(特認型)では、呼びにくいので、とりあえず渡り鳥特認田として書いていきます。
①渡り鳥特認田を認める地域の決定
  従来の渡来地域の実績から判断する。
  今のところ、相模川と酒匂川、金目川の流域が中心となると思います。

②渡り鳥特認田の要件の決定
  現在考えられている条件は下記のようなものです。
 ・8月上旬に耕起によって除草し、水を張る。
 ・水は5~10cmに浅く維持する。
 ・除草剤は用いない。
 ・その集落で複数の休耕田を同様な管理にすることが望ましい。
 ・人家に隣接した水田は含まない。

③対象市町村担当部局による調整田の割り当て作業。
 その中で渡り鳥特認田の要件を説明し、農家ないし組合からの立候補を求める。

④申し出のあった場所について、上記の要件に沿うどうかの認定をする。

⑤対象となった休耕田に渡り鳥特認田の表示をする(JA)

⑥8月~9月のシーズンの現地調査。
 野鳥の会に求められている協力は、①の地域決定の参考資料の作成、③の各市町村での作業へのアドバイス、⑤の現地調査です。
 さて、そこで皆さんへのとりあえずのお願いなのですが、①の地域の絞り込みをする参考資料に、過去5年間くらいの間で、シギ類の渡来が見られた休耕田の位置を同封の地図に示して返送して頂きたいのです。
 目録のデータで大字は分かるのですが、位置までははっきりしないためのお願いです。
 休耕田の位置は毎年同じとは限りませんので、だいたいの位置なり範囲なりでけっこうです。
 同封の地図に赤で記入し、特に望ましい場所があればそれも示して頂いて、今月末までに浜口あてお送り下さい。
 また、休耕田の管理について、こんな点も注意したらということがありましたら合わせてお知らせください。

 今後、具体的な場所の認定、決定後の現地調査などでもご協力を頂きたいことが出てくると思いますので、その点もよろしくお願いいたします。
 なお、この仕事全体は、あくまで県市町村の農政部局とJAが進めるもので、支部はそれを側面から援助する関係です。
 従って、現在のところ、農家にこのことで直接お話をしたり、市町村に要望を出す立場ではありません。
 制度が動き出してしまえば、我々から農家の方に制度を紹介するようなことは可能になると思いますが、今はまだたいへんデリケートな時期なので、くれぐれも先走った行動がないようにご注意ください。
 何かありましたら、必ずまず浜口に連絡をしてくださるようお願いいたします。取り急ぎ、お願いまで。
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資料6.野鳥観察田の適用地域についての資料
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休耕田を活用することによってシギ類の誘致が可能だと思われる地域の範囲について

1999.2.9 日本野鳥の会神奈川支部

はじめに
 多面的機能水田(特認型)の制度を利用した、「野鳥観察田」の設置は、湿地の減少によって好適な渡来地がなくなりつつあるシギ類・チドリ類などの保護にとって大きな意義があることと考え、各方面の関係者の皆さんのご尽力に感謝しているところです。
 さて、この制度の実現には、過去における渡来実績から考えて、条件整備の効果があがることが推定される地域の抽出が、欠かせない課題となっております。
 本会では、過去15年間にわたって継続的な記録の蓄積に務めてまいりましたが、その記録の整理によって、シギ類を中心とする渡り鳥の渡来地となる可能性の大きい地域を地図上に示しましたので、ご報告いたします。

シギ類の誘致が可能だと思われる地域
 おもに1996~1998年の観察に基づいて、シギ類が渡来した休耕田の位置をプロットし、その周辺の同様な環境条件を備えた水田を含めて、誘致の可能性の大きい範囲として5万分の1縮尺の地図に示しました。
  注/採録にあたって地図は省略した

1.酒匂川下流地域
 小田原市成田・桑原・鬼柳・延清・曽我・東大友・西大友・下大井・中曽根・栢山・曽比
 大井町西大井・金手
 開成町吉田島・牛島

2.金目川地域
 秦野市鶴巻
 平塚市真田・北金目・南金目・片岡・広川・飯島・公所・河内・纏・寺田縄・入野・北豊田・東豊田
  ・豊田打間木・下島・城所・小鍋島・大島・横内・田村・大神・吉際
 伊勢原市串橋・上谷・沼目・小稲葉・下谷・下落合・見附島・石田・下糟屋
 厚木市戸田・長沼

3.相模川中流地域
 海老名市門沢橋・本郷・中野・社家・中河内・上河内・今里・中新田・大谷・河原口・勝瀬・上郷・上今泉・倉見
 座間市新田宿・四ツ谷・入谷
 相模原市新戸
 厚木市金田・中依知・下依知・関口・上依知・猿ヶ島・山際

4.藤沢・茅ヶ崎地域
 藤沢市大庭・西俣野
 茅ヶ崎市赤羽根
 寒川町田端・大曲
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5.関係者の打ち合わせ(1999年7月16日 県央地区農政事務所)

 「野鳥観察田」の実施が現実化し、1999年の5月から6月にかけて、調整田の割り当てについて県と市の打ち合わせが行われて、調整田の手法の一つとして野鳥観察田が認可されたとの説明が行われ、市の担当者および各農協から農家に紹介がされた。
 しかし、新しい制度に対する警戒感も働いたためか、積極的に立候補する農家は少なく、結果的には座間市と海老名市の12戸30区画の水田が野鳥観察田として認められることになった。
 この経緯をふまえて、7月16日に、県環境農政部農業環境課、県央地区農政事務所、県央地域農業改良普及センター、海老名市農産課、座間市産業課、JAさがみ座間営農経済センター、JA中央会農政部、JA海老名市営農課の各担当者と、本会(船木曄子・浜口)で打ち合わせが行われた。この席では、実際の運用にあたり、調整田の管理方法について確認が行われ、本会からは調査と観察会の予定について発表して了解を得た。
 また、この会合後、該当農家と関係者に資料5を送付した。

資料7.農家に理解を求める書類
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「野鳥観察田」関係者の皆さまへ

1999.8.1 日本野鳥の会神奈川支部 支部長 浜口哲一 

 暑い夏の日差しが照りつける毎日が続いておりますが、お元気でお過ごしのことと思います。
 さて、今年度より農水省と神奈川県のお力で、多面的機能水田(特認型)の一つとして「野鳥観察田」が位置づけられ、渡来した野鳥の調査などで当会がお手伝いさせて頂くことになりました。
 今後、いろいろお世話になると思いますので、一言ご挨拶申し上げるとともに、野鳥の飛来地として好適な条件を整えるためにお願いしたいことなどを、お知らせいたします。

●「野鳥観察田」はどんな野鳥を守るための制度なのでしょうか?
  「野鳥観察田」は調整田に水を張り、野鳥の渡来地として利用しようとするものですが、その主な対象は、キアシシギ・アオアシシギなどのシギ類とムナグロなどのチドリ類です。
  これらの鳥の多くは、長い距離を移動する渡り鳥で、シベリアなどの北国で子育てを行い、オーストラリアなどの南半球で冬を越す生活を行っています。
  日本には、移動の途中の春と秋に立ち寄り、干潟や内陸部の湿地で餌をとって、渡りのエネルギーを補給していきます。
  ところが、そうした渡り鳥が飛来する湿地は、埋め立てなどで急速に失われ、特に神奈川県では数えるほどの場所しか残っていない現状です。
  そこで、8月から9月にかけての秋の渡りの時期に調整田に水を張り、トンボなどの水生昆虫の発生をうながして、シギ類やチドリ類が餌をとれる場所を確保しようというのが、「野鳥観察田」の目的です。なお、これらの鳥は動物質の餌しか食べませんので、多くの個体が渡来しても、稲などへの食害の心配はありません。

●調整田をどんな状態に保つ必要があるでしょうか?
  下の写真で示したのは、1997年と1998年に海老名市勝瀬で、勝瀬生産組合と中部営農組合の方々のご協力を頂いて、試験的に水張りを実施した時のものです。
  既に、市などからご指示があったことと思いますが、「野鳥観察田」では、8月から9月にかけて、なるべく長期間にわたって左の水田のような状態に保って頂くのが望ましい管理状態です。
  お盆前の8月10日頃に、可能ならトラクターでかき回して除草し、数センチ程度に浅く水を張って頂きたいと思います。
  トンボなどが多数産卵する必要がありますので、原則としては除草剤の使用は避けてください。
  なお、水を落とす時期については、用水路全体の管理スケジュールに合わせた形でけっこうです。

●野鳥の会ではどんなお手伝いをさせて頂くのでしょうか?
  「野鳥観察田」については、管理終了後に、渡来した野鳥の観察記録と、観察会での利用状況の報告を行う義務があります。
  今年度の場合、当会の会員が、8月から9月の間に適宜2~3回の調査を行い、その結果をまとめて市にご報告するお約束になっております。
  調査については、1~2名が行い、30分程度の短時間で終了しますので、特に事前に日時をお知らせするようなことはいたしません。
  もし、現地でお会いするようなことがありましたら、ご挨拶いたしますので、よろしくお願いいたします。
  また、観察会の実施は、「野鳥観察田」が社会的に有効に活用されていることを示すために開催が義務づけられているものです。
  今年度については、9月5日(日)の1回、当会会員を対象に実施する予定です。
  当日は、午前中10時から12時の間に、十数人程度で観察に伺います。
  もし、観察にご興味がおありでしたら、その時間に現地においで下さい。この会についても、市にお伝えし、最終的には実施状況を農水省に報告するようになります。
  以上、かいつまんで「野鳥観察田」について、お知らせいたしましたが、何かご不明の点がありましたら、
  遠慮なくお問い合わせください。よろしくお願いいたします。
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6.現地調査
 座間市については、竹内裕氏、海老名市については船木曄子氏に継続的な記録をお願いした。
 その結果については、まず市及び県に報告することになっており、ここには採録できないが、全体的には水張りのタイミングがやや遅れた水田が多く、目立って多くのシギチドリ類が渡来することはなかった。
 しかし、ムナグロ・キアシシギ・コチドリなどがある程度記録され、初年度としてはまずまずの結果を残すことができた。

7.「野鳥観察田を巡る会」の実施
 野鳥観察田の要件の一つである、市民的な利用という条件を満たすために、9/5に探鳥会を実施した。
 会の名称は「野鳥観察田を巡る会」とし、資料6のような計画に沿って実施した。
 当日は、晴天に恵まれ、約120名の参加があった。
 JA海老名のグリーンセンターの会議室を使っての会合では、県環境農政部、JA海老名、JA中央会、JA経済連のそれぞれの立場からの発言を頂き、市民団体と農業団体との交流の役目も果たすことができた。
 参加者には、グリーンセンターの即売場での農産物の購入も呼びかけ、多くの方の協力があった。

資料8.野鳥観察田を巡る会の実施計画
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「野鳥観察田」観察会 実施計画
 「野鳥観察田」については、いろいろご尽力を頂き、ありがとうございます。
 さて、9月5日に予定しております観察会ですが、概ね下記の予定で進めたいと考えております。
 ご都合がつきましたら、ご参加頂きたくご案内申し上げます。

●日:9月5日(日) 雨天決行
●集合:午前9時半 相鉄線海老名駅改札口付近
●持ち物:昼食・水筒・双眼鏡などの観察用具(なくてもけっこうです)
●服装:ハイキング程度の服装で・帽子
●解散:午後4時頃 海老名駅
●観察スケジュール:
9:30 集合 あいさつ グループ分け(3グループ)
 Aグループ 9:59相模線で相武台下へ移動 → 新田宿で、野鳥観察田A1を巡回
 → 海老名市上今泉で、野鳥観察田A2を巡回 → 左岸用水沿いに南下し、海老名駅
   → 時間があれば市役所前の調整田で観察 → グリーンセンターへ(14:00必着)
 Bグループ 徒歩で市役所前へ移動 → 大谷・中新田で野鳥観察田Bを巡回
   → グリーンセンターへ(14:00必着)
 Cグループ 9:56相模線で社家へ移動 → 有馬高校付近で調整田を観察
   → 中河内で野鳥観察田Cを巡回 → 永池川沿いに北上しグリーンセンターへ
●グリーンセンターでの会合:時間 14:00~15:00
あいさつ JA海老名の方
 お話   野鳥観察田について 県経済連 臼井勝之氏など
 各観察グループからの報告 → 散会後、希望者はグリーンセンターの即売コーナーを利用
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●ブッポウソウの巣箱作成の補助
 県北地域で、ブッポウソウが継続的に営巣を続けていた樹木が、1998年冬の大雪で折れて、営巣条件が悪くなる事態があった。
 神奈川支部では、現地の会員からの協力要請により巣箱の設置を行った。
 実際には、ブッポウソウは、巣箱を利用せず元の営巣木に営巣した。