2004年の保護研究部の活動


         
2004年の保護研究部の活動
 2004年に、神奈川支部が関わった保護研究活動について、資料を採録しなががら、その経緯を紹介する。

●俣野遊水池関係
BINOS10号で要望書を出した、俣野遊水池の工事が本格化した為に以下の要望書を提出して、湿地保護を要請した。俣野・下飯田遊水池は、広大な計画で、全面が湿地となればラムサール条約登録地になってもおかしく無い場所である。今後、自然再生を図りながら湿地の回復を目指したい。

資料:神奈川県に提出した要望
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2004年10月15日
神奈川県県土整備部部長様
河港課課長様
都市整備公園課長
藤沢土木事務所所長様
 日本野鳥の会神奈川支部
支部長 鈴木茂也

俣野遊水地・下飯田における湿地保護について(要望)

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、藤沢土木事務所で担当されています俣野遊水地・下飯田遊水地について、環境保全の観点から要望をいたします。

1.俣野遊水地の水地内湿地部分は、ご承知のとおり、神奈川県絶滅危惧種等の湿地性鳥類が、数多く生息しています。生息場所を確保しながら、神奈川県絶滅危惧種等の繁殖が継続して行えるような状況で整備を強く要望します。
2.下飯田遊水地・今田遊水地・俣野遊水地の三遊水地を湿地環境のネットワーク化を
具体的に進めて下さい。三遊水池の工事期間を調整して、三湿地全体で湿地性の生
物相の保護をお願いします。
3.今後予定されている県立公園は、湿地環境を維持する事と、遊水地機能も併せ持つ公園として整備をお願いします。

俣野遊水地については、現在残っている湿地環境を維持しつつ、遊水地の機能を損なわない状況を作り出す事は可能と考えます。現在、神奈川県では良好な湿地環境は急速に減少し、残された湿地部分は、現状として重要な生態系を形作っています。一度破壊された、自然環境は復活させる事は長大な時間と多大な費用がかかります。国においては、自然再生法を利用して釧路湿原を始め湿地環境の再生を計画している所です。その湿地環境を代表する鳥類の絶滅危惧種です。サギ科の鳥類で、神奈川県のレットデータブックでは絶滅危惧種にランクされています。是非絶滅危惧種と湿地環境の生物を保全するための計画を策定して頂くようにお願いいたします。

以上

資料;藤沢土木事務所の回答
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                              平成16年10月26日
日本野鳥の会神奈川支部
支部長 鈴木 茂也 殿
神奈川県藤沢土木事務所長
平岡 孝惠

 俣野遊水地・下飯田における湿地保護について(回答)
 
日ごろより、県の土木行政に対しご理解、ご協力を賜りお礼申し上げます。
 さて、ご要望のあった境川遊水地の湿地保護の件ですが、境川遊水地は、境川の洪水対策のために、もともと畑地等であった土地を地元の方々ご協力のもとに買収し、その後、止水壁や掘削工事を行っておりますが、まだ整備途上の段階にあります。
 また、整備効果を少しでも早く発現させるため、平成12年度から遊水地の暫定供用を開始していますが、先の台風22号でも満水となり、下流域の氾濫防止のために相当な治水効果があったものと考えております。
 私どもは、あくまでもこうした県民の皆様の、生命・財産を守るという遊水地の本来機能を損なうことのない範囲内で、県立公園としての整備を行う予定でございます。
 また、その公園の整備方法につきましては、さまざまなご意見を頂いている中、将来の浚渫などの維持管理方法も考慮の上、大学の生態系の専門家にも相談しつつ、総合的に判断しながら進めてまいります。
 貴方様からの要望につきましては、貴重なご意見として承りたいと考えております。ご意見、誠に有り難うございました。


●横浜市港湾部のコアジサシ保護と横浜市長表彰について
横浜市中区本牧埠頭の工事現場において、コアジサシの大規模なコロニーが見つかった。神奈川
支部では、すぐに現地調査を行い横浜市港湾部と協議を行った。現状の大規模なコロニーを工事と
平行して確保する事は難しいと判断した。そこで(財)日本野鳥会の会自然保護室と相談の結果、(財)日本野鳥の会から柳生博会長名で、コロニー保護の要望書を提出した。横浜市は、即時工事中止を決断し、コアジサシコロニーの保護を図った。(財)日本野鳥の会では、神奈川支部の要請
により、横浜市市長を表彰した。
 今回の件に関しては、(財)日本野鳥の会会長 柳生博氏、自然保護室 古南幸弘氏に感謝申し上げる。(財)日本野鳥の会は迅速な判断で要望書の提出と共に、表彰状の授与まで大変お世話になった。また横浜市の対応も、非常に早く工事中止の判断は、うれしい出来事であった。重ねて感謝を申し上げる。

①コアジサシ市長表彰の経緯
1.1998年南本牧ふ頭(2004年今回の場所とは異なる)で約600羽のコアジサシ営巣地を発見。横浜市港湾局に保護対策を要請。営巣場所への誘導とのため、工事場所では営巣を事前に妨害するための、溝を作成した。2000年までの3年間繁殖を確保した。
2.2002年度に本牧ふ頭でコアジサシ(今回の場所)の営巣地を新たに発見した。工事を行わない地区での繁殖であるが、工事車両等の流入について配慮をお願いした。
3.2003年度も本牧ふ頭内で繁殖があった模様(神奈川支部は未確認)。
4.2004年6月15日に本牧ふ頭を神奈川支部と港湾局で視察した所、工事予定地区で、推定500羽前後のコアジサシが繁殖している事を確認。工事延期を含めて検討して頂く事になった。
5.6月17日(財)日本野鳥の会より工事休止の要望書を提出。
6.6月18日に港湾局より、神奈川支部へ工事休止の連絡がある。
7.6月26日の神奈川支部の調査結果
本牧埠頭コアジサシ調査の集計結果です。
確認総数:  卵:807, ヒナ:506, 巣:418, 古巣:224
推計総数:  卵:913, ヒナ:572, 巣:490, 古巣:273
死んだ卵(放棄など): 67,  ヒナ死体:33
(これらは、上記総数には含まれない) 
調査中のコアジサシ成鳥は800羽以上、1000羽は居たと推定される。

②横浜市長宛の要望書
資料;要望書
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                          2004(平成16)年6月 17 日

横浜市長中田宏様

(財)日本野鳥の会
会長 柳生博

横浜市本牧ふ頭BC突堤における工事休止について(要望)

拝啓 日頃からの自然保護行政の推進について感謝申し上げます。
さて、横浜市中区本牧ふ頭BC突堤の造成工事(横浜市港湾局担当)ですが、環境省の日本版レッドリスト絶滅危惧2類に掲載している、コアジサシが約600羽規模で繁殖しています。至急工事の休止を要望いたします。
コアジサシは産卵にはいっており、雛も確認されています。この本牧ふ頭は、現在神奈川県最大の繁殖地です。約2ヶ月程度で繁殖が終わります。是非、現状工事を休止して、
絶滅に瀕するコアジサシの保護のための決断をお願いいたします。

③感謝状
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感謝状
横浜市長 中田宏様
 貴殿におかれましては、種の保存法の国際希少野生動植物種、及び環境省レッドデータブックの絶滅危惧Ⅱ類に指定されている、絶滅のおそれがある稀少種であるコアジサシの保護について、横浜市港湾部において積極的に取り組まれました。特に平成十六年は、港湾部の工事を一時休止し、コアジサシ繁殖地を保護されました。 このことは、自然保護の観点から大きな意義を持つことと考え、ここに感謝状を贈呈いたします。今後も継続的な保護事業の展開を期待しております。

平成十六年八月 日   (財)日本野鳥の会 会長 柳生 博

④新聞記事







●上瀬谷通信施設跡地の自然環境保全方策について
米軍施設返還に伴い、以下の要望書を提出しました。米軍施設の返還に伴う、跡地利用は金沢区など他地域にも影響があると考えられる。今後も、検討を要する。

資料:要望書
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                               平成16年11月
横浜市長 中田宏殿
  日本野鳥の会神奈川支部 
      支部長 鈴木茂也

上瀬谷通信施設跡地の自然環境保全方策について(要望)
 
時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。本会は、野鳥に親しむことを通して自然環境保全に取り組んでいる市民団体で、全県で約3500名の会員を有しております。
さて、この10月に横浜市に米軍施設の跡地利用を検討する「市返還施設跡地利用プロジェクト」が発足しました。市民のための緑地として確保すべき資産と位置付け有効活用を検討する(10/5 神奈川新聞)とあり、本会としても関心を払っていきたいと思います。
これに関連して、上瀬谷通信施設敷地に隣接した旭区上川井町の平地林で絶滅危惧種が今年も繁殖している事が、地元の本会会員により確認されました。絶滅危惧種は隣接する上瀬谷通信施設敷地の農耕地、瀬谷市民の森等を餌場として利用しているのが観察されています。
1993年、「絶滅のおそれのある希少野生成動植物の種の保存に関する法律」の中で、行政、地元関係者はそれに該当する絶滅危惧種の保護の責務が求められています。本会でもそのような猛禽類保護のために関係者と協力して活動を進めております。これを進めるに当り、1996年、現環境省が「猛禽類保護の進め方」の指針を出しております。絶滅危惧種に代表される同地の自然環境が今後も持続するよう取り組んで頂きたく、下記を要望いたします。

1.早急に環境省の「猛禽類保護の進め方」の指針に基づき、2繁殖期の絶滅危惧種の棲息、繁殖状 況調査を行って下さい。
2.同指針に則り、その結果を解析できる専門家の委員会を発足させ、保全策を策定して下さい。
3.その保全策を市返還施設跡地利用プロジェクトで実現して下さい。
以上
資料;横浜市の回答
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                                市広聴 902745号
                               平成16年12月6日

日本野鳥の会神奈川支部
 支部長 鈴木 茂也 様
   横浜市長  中田宏
上瀬谷通信施設跡地の自然環境保全方策について(回答)

 さきに要望(平成16年11月20日)のありましたことについて、次のとおりお答えします。
 市内米軍施設の返還後の跡地は、長期的視点に立って本市のまちづくりや都市基盤整備に借用すべき資産であるとともに、市民のための緑地として確保すべき資産であるため、「横浜市返還施設跡地利用プロジェクト」を設置し、その有効活用を図るための検討を行っています。
 返還される施設は緑地を多く含む貴重な土地ですので、跡地利用の検討にあたっては、緑地の確保や自然環境保全についても、充分に考慮していきたいと考えています。
 また、プロジェクトメンバーに外部の有識者等を加えることについては、今後、検討していきます。この旨ご了承いただき、貴会の皆様によろしくお伝えください。

●神奈川県の委員依嘱
 神奈川県から依嘱があった委員会に以下の委員を決めた。
 ・丹沢大山総合調査実行委員会 石井隆(副支部長)

●保護研究部会について
神奈川支部では、保護関係の将来構想を考えるために以下の件を検討している。2004年に
 2回保護研究部会を開催した。
(1)保護研究スローガンについて
(2)保護研究のビジョンについて
(3)オオタカのカメラマン対策について
(4)コアジサシの保護について
(5)神奈川県都市計画について

●寒川町サギコロニーに隣接した携帯電話基地局建設について
  NTTドコモから寒川町宮山のサギコロニーに隣接する携帯電話基地局建設について、意見を 求められた。当初の予定は、コロニー前10m前の場所になっていた。サギ類のコロニー入りに 対して影響があると 判断し、位置をずらしてもらうように要請しました。その結果約100m 離れた場所に建設を移 動して頂いた。また工期も、サギ類の繁殖が始まる前の4月中旬までに 終わるように要請した。2005年現在、サギコロニーへの影響は無いものと思われる。

●(財)日本野鳥の会調査研究体制について
以下の文書を(財)日本野鳥の会に提出しました。
資料:(財)日本野鳥の会への照会文書
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                                      2004年10月
(財)日本野鳥の会
 会長 柳生 博様
      日本野鳥の会神奈川支部
       支部長 鈴木 茂也

今後の調査研究活動について(お尋ね)

 会長へのご就任おめでとうございます。今後、末長くご指導、ご鞭撻頂きたくよろしくお願いいたします。
 さて、本部職員数名が退職され、バードリサーチという法人を作られたとのお話しを伺いました。本支部としましては、新法人の発展を祈念するものですが、一方で今後の野鳥の会としての調査研究活動のあり方について不安も感じております。この件に関して、いくつか質問をさせて頂きますのでよろしくご回答をお願いいたします。

1.本部としての調査研究活動は継続されるのでしょうか?
 現在まで、本部では繁殖地図調査、ガンカモなどのモニタリング調査、カワウ調査など各種の調査研究活動に活発に取り組んでこられました。本支部としても、それらの調査にできるだけの協力をさせて頂いてきました。こうした活動は、今後も今までと同じように続けられていくのでしょうか?
 近年、野鳥愛好者が増えていると言われていますが、それらの知識や経験が組織的にいかされ、日本の自然環境の実態を明らかにする調査活動として集約されていくことが可能なのは、日本野鳥の会が中心になって行う調査のみだと思います。逆に言えば、そうした調査活動があって初めて、野鳥愛好者の増加が、自然環境保全につながる可能性があるのだと考えます。多くの会員の参加による調査活動を今後も活発に展開して頂きたく、その将来にわたる方向性についてお尋ねいたします。

2.調査研究活動に従事される職員は補充されるのでしょうか?
 上に述べましたように、野鳥の会が主催して行う調査活動には大きな意味があると考えます。それを推進する役目を持った職員の補充については、どのようにお考えでしょうか。

3.研究報告誌 strix の刊行は継続されるのでしょうか?
 20年以上にわたって刊行されてきた研究報告誌 strix は、会員にとって、観察や調査結果を発表できる場として大きな意義を持っています。また、そこに報告されたデータは会員の間で共有され、いろいろな自然保護運動を進めていく上で、その妥当性を裏付ける資料として役だってきております。本支部でも、そうした本部の姿勢にならって BINOS 誌を刊行し、会員の観察や記録を、客観的な資料として利用できるような努力をしてきました。それは、野鳥の会の支部として、地域の自然環境の記録を残していくという社会的な貢献と考えてもおります。今まで strix 誌の編集に任にあたられてきた職員の方が退職されるとお聞きしましたが、刊行の継続についてどのようなお考えをお持ちか、聞かせて頂きたいと思います。

●大山ロープウェー問題
2004年の夏にロープウェーの建設問題の報道がありました。神奈川支部では、すぐに以下の要望書を提出の上、厚木市の担当者と会談を行った。現状では、建設の動きは止まっているが、厚木市は計画を断念した訳では無いので今後も情報を集める必要がある。

資料:厚木市宛の要望書
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平成16年8月10日
厚木市長 山口巌雄様
                               
       日本野鳥の会 神奈川支部
        支部長 鈴木茂也
大山山頂へ架けるロープウェ一構想の中止を求める要望書
 拝啓 貴市、.ますますご盛栄のこととお喜び申しあげます。
 このたび、朝日新聞紙上(平成16年7月27日付朝刊・神奈川版)において、標記の構想に関する報道を拝読しました。本構想の内容を詳しく知るにおよび、大山の自然環境を保全・保護する視点から、率直な驚きを禁じえません。ここに、大山口ープウェ一構想の中止を求める要望書を貴職宛、下記のとおり提出します。
(1)本構想が「丹沢大山国定公園」の生態系に壊滅的な打撃を与えること。
 本構想の骨子は谷太郎川源流の不動尻から大山山頂までの標高差約800mを、ゴンドラ形式のロープウェー(架空索道)によって結ほうというものです。貴市が事業を構想している大山山頂周囲とその北束側山域は.、申すまでもなく「丹沢大山国定公園」の一部をなしており、特に良好な自然環境が残されている地域です。この一帯にほ広葉樹と針葉樹からなる多様な植生が存在し、各種の哺乳類や鳥類をはじめとする多くの生き物がこの環境を通年にわたり、利用しています。こうした多様な生態系に恵まれる当山域の自然は、まきに県民のかけがえのない“財産”の一つです。
 仮に本ロープウェーの実現を図るならば.大山山頂および不動尻に乗降用の駅舎を新設し、さらに索道を支持するための鉄塔を山中に複数基にわたり、建設しなければなりません。新しい工事用道路の開設も必要になります。このような大型構造物を建設し、かつ新規な道路を設けるには、周辺自然林の大規模な伐採が前提となります。こうした自然破壊が大山の山頂周囲はもとより、その北東側の生態系に壊滅的な打撃を与えることはきわめて明らかであります。
(2)本構想が大山山頂のオーバーユース対策に逆行すること。
 神奈川県では、平成16年4月から「丹沢大山総合調査」が実施されています。本調査は丹沢大山の保全と再生を目指しますが..オーバーユース対策もその重要課題の一つにあげられています。丹沢大山の自然環境がその利用者数の増加とともに、悪化の一途をたどっているからです。
 貴市による今回の構想ほロープウェーを利用するバリアフリー方式に言及されており、年間15万人の利用によって採算がとれると試算しています。しかし、バリアフリーを必要とされる利用者が子どもからお年寄りを含め、これ程の大人数に達するとは考えられません。健常な一般利用者がその大部分を占めることは、国内の既設山岳ロープウェー(中央アルプス.箱根駒ヶ岳など)の先例からも明らかです。つまり、本ロープウェ一構想はすでにオーバーユース状態にある狭い大山の山頂へ、大勢の一般観光客を集中的に運び上げることになるのです。こうした行為が、大山山頂周囲の致命的な自然破壊を引き起こすことは誰の目にも明らかであります。
 本ロープウェー構想はバリアフリーの名を冠する、消費型の観光開発事業の一つであると言わざるをえません。神奈川県ではかって昭和40年代の初頭、戸沢出合から塔ノ岳の山頂直下まで同様なロープウェー事業が計画されております。しかし、過度の開発による自然破壊を予見した関係者の先見性ある英知と決断によって、中止に至った経緯もあります。

 上記(1)と(2)の理由、ならびにこの勇気ある塔ノ岳の先例にも鑑みて、大山口ー
プウェ一構想を即刻、中止されますようここに強く要望いたします。

                                  敬具
資料:厚木市の回答
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                               平成16年10月26日
日本野鳥の会神奈川支部
 支部長 鈴 木 茂 也 様
      厚木市長 山 口 巌雄
大山山頂へ架けるロープウェー構想の中止を求める要望書について(回等)

 平素、市政の運営に御理解と御協力を賜り、厚くお礼申し上げます。
 さて、先般いただきました御要望につきまして、次のとおり回答申し上げます。
 本市の地域再生計画は、本市の豊かな自然環境を適正に保全し、活用した自然と共生する「環境保護と経済発展の両立」を目的としたもので、市民を始め多くの来街着が、自然の中での生活体験を通じて、自然や命の大切さを学び、生きがいのあるライフサイクルの実現に向けた自然学習拠点
整備による再生計画であります。
 御指摘いただきましたロープウェイにつきましては、こうした手段による新たなバリアフリーのエコツーリズムの実現により、更なる学習領域の拡大に繋げるとともに、ロープウェイの乗車料金などに加えて一定の負担金を上乗せすることにより、自然を将来に継承するための資金を確保し、
税金を投入することなくして、この地域における自立した資金の調達を可能とすることなどを目指すという発想の中から生まれたものであります。
 しかしながら、地域再生計画における個別の内容につきましては、この9月議会におきまして、「関係者等による合意のない事業の執行を前提とするものではない」ことを表明させていただいたところでございます。
 今後、地元を始め貴職や多くの皆様の御理解と御協力をいただきながら、恵まれた地域資源を生かし「地域の活性化に資する持続可能な利用の増進」を図る計画の具現化に取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解と御支援をいただきたいと思います。